* そんな殺生な…(泣) *
―こちら○○水族館では二匹のラッコが眠る時、手をつないで寝ています!
―可愛いですねvv
TVで流れるニュースを見て、動かない岩瀬に石川は…
「どうかしたのか?」
「えっと…なんでもありません…」
「?」
「あの…悠さん!」
「なんだ?」
「その…今晩、手をつないで寝ませんか?」
「は!?」
「えっと…さっきラッコが…」
「手をつないで寝てるって言ってたけど…それで!?」
「はい…なんだか、いいなぁって…」
「馬鹿か?」
呆れ果てた表情の石川に、岩瀬は情け無い表情で。
「だって!寝てる間『手をつないで』るんですよ!いいと思いませんか?」
「あのな…」
「…悠さんは手をつないで寝たくないんですか?」
「いや…そういうわけじゃないけど…」
「じゃあ!繋いで寝ましょうよvv」
「…おれは…」
俯いてしまった石川を覗き込んだ岩瀬を、石川が押倒し…
「俺はこうして眠る方が良い///」
「悠さんvvv」
ギュッと抱きついて、可愛いことを呟く恋人に岩瀬は破顔して―
「そうですね!俺もこの方が好きですvv」
腕の中の石川をギューーッと抱き締め返す岩瀬であった。
そして、夜半過ぎ―
「悠さん…これって軽く拷問?」
眠りについてから、宣言通り(?)ギュッと抱きついて離れない石川。
そんな可愛いことをされたら、岩瀬の理性も限界が近くて…
「どうしよう…」
如何することも出来ない岩瀬の泣き言だけが、夜のしじまへと消えていった…。
合掌。